2010年02月25日

FirstradeのACH出金の上限

ちょっと昔の記事ですが、
FirstradeのACH入出金の下限と上限
出金の上限は10,000ドルのようです。
と書きました。

ところがつい最近、1万ドルを超える金額をUB(旧UBOC)にACH出金した際、1万ドル以下の金額に分割することなく一度に出金できましたので、このような制限はなくなったようです。

ただし、
In order to protect our customers and maintain the highest level of security, Firstrade verifies all account withdrawal requests totaling $10,000 or more.

We must confirm certain information with you before this request can be processed. Please provide a daytime contact number where you can be reached between 8:30 AM to 4:00 PM, ET.
とメールで告げられました。その後の電話でのやりとりは非常に簡単なものでしたが、時差も大きいのでかなり面倒なことになります。やはり、あらかじめ登録してある自分名義の口座に出金するぐらいのことは、金額の多寡に関係なくすべてオンラインで完結してほしいものです。

こういう場合、次回からは1万ドル以下に分割して出金しようと思います。

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2010年02月19日

『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~』



アマゾンのレビューは異様なほど高評価ですが、いまいちでした。「世界一わかりやすい経済の本」という副題はどう見ても偽りかと。

誰が言った? → マスコミが言った。
ところが本当は
実は「国民年金の未納者の増加」によって「国の年金が破綻する」というわけではなく、基本的には「国民年金の未納者自身が将来、損をする」ことになる
と説きます。

確かに結論としては間違ってはいません。
後者の「未納者自身が将来、損をする」という話は、先日『知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語』 その3で引用した「国民年金の保険料を支払うのは、経済的にはかなり合理的な選択なのだ。」という結論とも一致しています。さらに保険料免除を受けるのが最も合理的だというのが私の結論ですが。(関連記事:国民年金免除の損得

前者の「国民年金の未納者の増加によって国の年金が破綻するというわけではな」い理由の一つとして、厚生年金などを含めた公的年金加入者7000万人余りのうち、未納者はわずか300万人余りでしかなく、全体の5%未満であることを挙げています。しかしこれは、問答無用で保険料を強制徴収されている厚生年金加入者など(第二号被保険者)が3900万人もいて、彼らが今後も増えていくであろう未納者だけでなく、1000万人を超える第三号被保険者の分まで保険料を負担し続けていくという隠れた前提があります。本書ではその問題点にまったく触れていないばかりか、
「厚生年金」の場合には、実際に国に払う保険料よりも、国からもらえる年金の方が多くなることは有名です。
 それは「厚生年金」の場合は、保険料の半分を会社が払っているので、個人は半分の保険料で済むからです。
このようなおめでたい話が書かれています。
この話が「有名」だというなら、それこそ「誰が言った?」と問うべきでしょう。保険料が労使折半だから得だというのは、物事を表面的にしか見ないことによる典型的な誤りです。
参考記事:金融日記:経済政策を売り歩く人々―エコノミストのセンスとナンセンス、ポール・クルーグマン(著)、伊藤隆敏(翻訳)、北村行伸(翻訳)、妹尾美起(翻訳)

さて現実には、未納者が増えてどんどん厚生年金保険料が高くなっても、国が作った強制徴収という仕組みから逃れることはできない以上、「公的年金制度が破綻することはない」という結論自体は、あくまでも見かけ上は正しいことになります。これは、どんなに国の借金が膨らんでも、債務者である国が国民から税金を強制徴収する権限と通貨発行権を持っている以上「国債がデフォルトすることはない」という結論が正しいこととよく似ています。

他にも、「未納者が増えると、サラリーマンなどの負担が高まることとなる」が間違っている理由として、
そもそも未納者は将来に年金をもらうことができないので、国の年金制度は未納者に対して将来的な負担は生じないのです!
と書いてありますが、「将来的な」負担ではなく「現在の」負担が生じることが問題である、という賦課方式最大の欠点に蓋をした話なので、まったく理由になっていないと思われます。

さらに、
 実は「国民年金」については、2009年度から若者の負担を減らすため、高齢者に支払われる年金の半分は「税金」から支払うようになることが決まっています。
 つまり、「国民年金」の個人の保険料の負担は半分で済んでしまうようになるのです。
年金には将来の負担に備えるために約200兆円の「年金積立金」はあるので、その不足ぶんは「年金積立金」を使って高齢者に支払うのです。
と、加入者が直接負担する保険料にしわ寄せがいくわけではないと説いていますが、その「税金」や「年金積立金」は一体誰が負担しているのでしょう? もちろん我々国民自身が負担しています。賦課方式の年金制度である以上、未納者自身以外の誰一人として不利益を被らないなどという魔法のような方法が存在するわけがないのです。

本書の序盤で「情報の本質を見抜く思考力」の重要性を力説している割には、著者自身が簡単に見かけに騙されているような気がしてなりません。

参考記事:乙川乙彦の投資日記: 細野真宏(2009.2)『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?』(扶桑社新書)扶桑社

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2010年02月02日

『知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語』 その6

『知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語』 その5 の続きです。これが最終回です。

本書終盤に出てくるFAQがこれまた秀逸です。
橘さん、あなたは誰ですか?

「橘玲」はペンネームで、顔写真もなければ、最低限の個人情報しか明らかにしていない。でもべつに、人に言えない後ろ暗い過去があるわけではない。
 テレビ出演や講演・対談の依頼はすべてお断りしているが、その理由は、「自分の知らない人が私のことを知っている」という不条理な世界が気味悪いからだ。誰もが有名になりたがっているわけではなく、実は、このような感覚を共有する人はかなり多いのではないかと思う。ただ彼らは、社会の表舞台には出てこないので、目立たないだけだ。
 プライバシーというのは、いったん失えば二度と取り戻すことはできないという際立った特徴を持つ貴重かつ希少な資産だ。インターネットの登場によって、個人情報の公開から生じるリスクは飛躍的に高まった。誰だって四六時中、不特定多数の人から監視される生活には耐えられないだろう。
 匿名性は個人の生活に大きな利益をもたらすから、それを失うにあたっては、リスクを上回る十分なリターンがなければ帳尻が合わない。
そうそう、これなんですよ。私もこのような感覚を共有する一人で、個人の特定につながるような情報をブログに書くことを嫌う理由も、ここに書かれている通りです。

どうすれば経済的に成功できますか?

 もちろん私は、この質問の正しい答えを知っている。それは、「経済合理的に行動すること」だ。なぜなら私たちが暮らす自由な市場経済とは、経済合理的な人間の下に富が集まる仕組みなのだから。
正しすぎてぐうの音も出ません。
しかし現実には、昨日の資産運用の話にも出てきたように、その通りに行動する人は意外に少ないようです。

社会の歪みを利用するのは卑怯では?

 不公平な社会制度を改革するもっとも有効な方法は、正義や善意ではなく、制度の歪みをグロテスクに拡大する経済合理的で利己的な個人の行動に任せることだ。その結果、これまでの制度が立ち行かないことが誰の目にも明らかになれば、そこではじめて改革への大衆的な合意が形成される。一人ひとりの利己的な行動から効率的なシステムが生まれることを、アダム・スミスは「見えざる手」と呼んだ。
その通りだと思います。
これを「卑怯」とみなす自己の正義に従うのは勝手ですが、制度そのものではなく、利己的に行動する人を非難するのはお門違いでしょう。
関連記事:『「無税」入門―私の「無税人生」を完全公開しよう』

最後は自由と自己責任の話。
国家に国民を保護する義務はない
 自己責任は自由の原理であり、私たちが国家から自らの権利を守るための大切な武器である。人は自由に生きる方が幸福だ。そう考えるならば、国家に必要以上の「義務」を負わせてはならない。
(中略)
より多くの義務を負う国家は、国民の私生活へのより大きな介入を正当化できる。私たちが「自己責任」を生きなければならない理由はここにある。
「国民を保護するやさしい国家」ほど危険なものはない。自由な社会は、国民に対して均しく冷淡な国家からしか生まれない。
何度読んでも素晴らしい教えですね。
自己責任論を否定して感情論に訴える、最近やたらと声の大きい人たちに騙されないためには、是非このような考え方に馴染んでおく必要があると思います。
参考記事: AIC:海外投資を楽しむ会:橘玲: 「貧乏はお金持ち」 あとがき(1/3)

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2010年02月01日

『知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語』 その5

『知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語』 その4 の続きです。

今回のテーマは資産運用。当ブログ的にはメインディッシュです。
 日本の宝くじは、売上の半分が経費として召し上げられる世界でもっとも割の悪いギャンブルの一つだ。儲かるのは胴元だけで、ゲームに参加したほとんどの人が損をする。売上の半分しか分配されないのだから、宝くじで儲ける最良の方法は宝くじを買わないことだ。
 楽して億万長者になる夢を見たければそれに最適な商品が提供される。だが夢はあくまでも夢でしかなく、宝くじに当たる望みは交通事故で死ぬ確率よりずっと小さい。
一攫千金を夢見て宝くじを買うことの愚かさについては、当ブログでも何度か触れてきたのでしつこいと思われるかもしれませんが、念には念を入れて引用してみました。
関連記事:web宝くじシミュレーター

 資本主義経済は、好、不況の波を繰り返しながら成長する。株で大きな果実を手にしようと思えば目先の損得にとらわれてはならない。1929年の「暗黒の木曜日」直前に株を買った投資家も30年後には十分な利益を手にした。人類の経験は長期投資こそ素晴らしいと教えている。
 ここまでの理屈に非の打ち所はない。たった一つ問題があるとすれば、ほとんどの投資家がこの教えに従わないことだ。
ほとんどの投資家とは違って、非の打ち所がない理屈には素直に従うのが私のポリシーです。
あと30年もすれば、「2008年の『サブプライムショック』直前に株を買った投資家も30年後には・・・」とか本に書いてあるに違いないと、そう信じて持ち続けるのみです。
29 投資家の仕事は損をすること
 投資とはリスクを購入し、それに見合った報酬を受け取ることだ。損をしても誰も助けてくれないばかりか、裸のまま路上に放り出されても文句は言えない。そんな冷たいルールが貫徹しているからこそ、投資は大きな富を生むのだ。
その通りだと思います。自ら進んでリスクを取った投資家を甘やかしてはいけません。
消費者保護の名目で自由なリスク購入を妨げる法律が作られるような国では、それだけ富を生む機会が奪われているのです。
31 投資助言は黒魔術によく似ている
 分散投資で知られるモダンポートフォリオ理論は、株式市場全体に投資することがもっとも効率的であると主張する。
(中略)
日経平均やTOPIX型のETFを購入し、あとは何もしないのがもっとも賢明な投資法だ――こんな身も蓋もないアドバイスが現代投資理論のエッセンスである。
(中略)
 市場の効率性を前提にすれば現代投資理論の正しさは数学的に証明されており、反論は困難だ。だからといって”科学”に従えば、自らの存在意義を否定することになる。そこで投資業界はこの理不尽な真理を無視することにした。
 事実から目をそむけ非科学的な前提に固執することをオカルトという。
はい。特に投資という分野にはオカルトが多すぎます。
少なくとも以上のような「現代投資理論のエッセンス」を知っておかないと、投資業界の専門家と呼ばれる人たちにもっともらしい黒魔術を教え込まれたりします。
黒魔術と科学、どちらを信じるほうが幸せになれそうか、よく考えてみてください。
32 老後は誰もが一人の投資家
 好むと好まざるとにかかわらず私たちはいずれ現役を引退し、第二の人生を歩むことになる。老後とは生活の糧を労働から得るのではなく、年金と資産運用のみに依存することだ。
(中略)
 老後は誰もが一人の投資家になる。成功の方程式はもはや役に立たない。その時、金融市場について何の知識もなければ、どうやって自分と家族の生活を守れるというのだろう。
 私たちが投資を学ぶ理由はここにある。
もっと詳しく投資を学ぶための本:『臆病者のための株入門』

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