2011年01月22日

『ドケチ道 ―会社を元気にする「生きたお金」の使い方』 山田 昭男 (著)



著者は日本一のドケチを名乗る未来工業の社長さんです。

この会社は労働時間が短いことでも有名で、年間休日140日+有給休暇40日余り、1日の労働時間は7時間15分、もちろん残業は無し。ということは、年間労働時間は1340時間程度。フルタイム労働としては日本一短いのではないでしょうか。
わたしもふくめて、誰だって働くのは好きじゃない。
経営者自らこの労働観に立っているからこそ実現したんでしょうね。

個々のドケチ実践方法は、正直やり過ぎ感が否めませんけど、その根底にある価値観には共感するところが多かったです。

「おわりに」からの抜粋です。
「KY(空気が読めないヤツ)」なんていう陰湿な言葉が流行する国で、みずから「日本一のドケチ」を名乗り、まわりの目も気にしなかった。むしろ、他人より抜きん出てしまえば、たった1本の杭でも打たれないことを、みずから証明するような生き方をしてきた。
しかし、ここまで私のヘソが曲がってしまったのには理由がある。
その理由とは、子供時代の上海日本人租界での次のような体験です。
上海の日本人租界では、日本人は人力車に ”乗る側” であり、それを ”引く側” は決まって中国人だった。
しかも目的地について、人力車夫である中国人に運賃を求められても、たいていの日本人が杖で彼らを殴りつけて、ビタ一文払わない。それが当たり前だった。いまもなお、子供心に焼きついている「治外法権」の原風景でもある。
そのくせ、学校の教室では、修身(道徳)の授業で、
「日本人は、世界でいちばん真面目で礼儀正しい」
とも教わっていた。
(中略)
政府も、政党も、新聞も、学校も、教師も、そして多くの大人たちも、みんな大ウソつきだった。
それなのに、大人たちは、「戦勝」情報を流し、子供たちに日の丸をもたせて行進させ、イモの茎しか食えないような国民を戦争に総動員し、教師たちは「日本人は世界一真面目で、礼儀正しい民族だ」と、私たち子どもを ”教育” した。ありとあらゆるウソっぱちの「横並び」だった。
私の「横並び」社会への嫌悪感はいまもこの骨身にしみついている。
世間とは常に反対のほうを向く――それがイカサマだらけの国で、自分が生き延びていくための指針になった。
私も反「横並び」派の一人ですので、共感しました。
「イカサマだらけの国」という表現は、戦中だけでなく現代の日本にも通じるところがあるような気がします。

参考記事: 
活かす読書 ドケチ道
「ドケチ道 」 山田昭男・著 | ドケチというより、ド「リッチ」 : 23:30の雑記帳

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2011年01月21日

『拝金』 堀江貴文(著)



著者本人の紹介記事はこちら。
通販の肝はパッケージにあり。小説「拝金」発売によせて。|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」by Ameba

形としては一応フィクションですが、ノンフィクションと思しき要素が多数散りばめられていて、堀江氏本人から見たライブドア事件の真相に近付けます。

「あとがき」が印象深かったのでメモしておきます。
人の欲望は尽きないと言うけど、意外に人の欲望は簡単に尽きる。ある程度のお金を手に入れると、たいていの人が満足してしまうのだ。
ここでいう「ある程度のお金」とは、
もう仕事をしなくても一生、優雅に暮らせるだけのお金
です。
「優雅に」暮らせるほどのお金がなくても仕事をしないことを選んだ私から見れば、それで満足しないほうがどうかしていると感じます。

お金がないときはやれることに限界があるけど、お金があればやれることがどんどん広がる。つまり、お金を持てば持つほど、お金から解き放たれて自由に発想できるようになる。
これは真理でしょう。お金の限界が自由の限界でもあります。

もっといえば、あらゆる欲望、金、女、酒、美食、何でもいいけど、徹底的に浸り切り、欲にまみれればまみれるほど、ある瞬間、その欲の世界を突き抜ける、そんな感覚になっていく。
 突き抜ける、そうとしか表現のしようがない。
 それがムチャクチャ気持ちいいというか、物凄い快感を与えてくれるのだ。突き抜けた結果、聖人君子のようになるという意味でもなく、なんというか、欲から解放されて、欲そのものと一体になれるというか、うーん、やっぱり言葉にするのは難しい。
この感覚を多くの人と共感したいが為に、この小説を書いたそうです。
読者の一人として本書を通じて堀江氏の体験を追体験した結果、確かに面白い体験だとは思いましたが、残念ながら上記のような感覚に共感するには至りませんでした。

逆に、そんなに「物凄い快感」を伴うのであれば、やっぱり欲の世界を突き抜けるのは相当リスキーな体験なのではないかと思えます。麻薬の快楽を覚えるのと何が違うんだろうかと。

この本を読めば、きっと誰もが突き抜けられる。そんな思いを込めながら、この小説をみなさんに発信します。
誰もが、ではなく、突き抜ける人はほんの一握りでいいんじゃないでしょうか。

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