2012年12月03日

『ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法』 pha (著) その3



昨日の記事の続きです。

怠惰が美徳とはどういうことだろうか。それは、怠惰な人間ほど、できるだけ仕事を減らして効率的にしようとするということだ。
(中略)
「怠惰が美徳」って考え方は、「とにかく汗をかけ」「努力しろ」みたいな一昔前の日本的な努力主義とは正反対なので好きだ。
同感です。私も努力主義は嫌いなので。

会社員時代、できる人はいつも涼しい顔で余裕があるのに対して、できない人は常にいっぱいいっぱいで、デスクワークなのに本当に額に汗をかいていました。明らかに前者のほうが生産性が高いにもかかわらず、なぜか後者のほうを高く評価してしまうのが、日本人のダメなところです。

表向きは成果主義なんて言ってても、成果はおまけみたいなもので、努力している(ように見える)かどうかで評価が決まってしまうような会社では、生産性が上がるはずがありません。

もちろん楽しいことは何回やっても楽しいんだけど、一度は死ぬ前にやっとかなきゃ後悔する、というのはもうない。このあと人生がどんどん下り坂になったとしても特に未練はないと思う。いい人生だった。
私も死ぬ間際にこういう台詞が言えたらいいなと思ってます。
結局人生って、今際の際にできるだけ後悔や未練を残さないための選択の積み重ねにすぎないのかなと。

私がもし明日死んだとしたら未練が残るけど、5年後だったらそれほどでもないのかなと思ってみたり。こういう「もうやり残したことはそんなにない」って感覚は多分、今でもリタイアせずに会社員生活を続けていたとしたら、まず持ち得なかった感覚でしょうね。

物価の安い国にでも行って貧乏ニート生活でも送ろうかな。
家も家族も持たない身軽さとネットからの収入を兼ね備えた人なのに、いまだ海外生活の経験なしですか? ちょっと不思議なぐらいです。曲がりなりにも東京で賃貸暮らしができる経済力があるのだから、貧乏ニートどころかそこそこ余裕のある外こもり生活ができそうですよ。

どうしても日本が好きなら、phaさん自身がレポートしているような田舎暮らしでもいいんじゃないですかね。
田舎はオープンワールドRPGみたいだった - phaのニート日記
一軒家で家賃が月1000円とか月5000円とか、土地付きの一軒家が20万円で売られてたりいるのを買ったとかいう話ばかりで、東京に住んでるのがバカバカしくなった。
ちなみに東京なんて仕事がそこにあるから仕方なく住むところだと思います。

参考記事:
SUMMER OF FREEDOM 『ニートの歩き方』
ニート最高 Time is money  キムのお金日記
『ニートの歩き方』というか - Chikirinの日記

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2012年12月02日

『ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法』 pha (著) その2



昨日の記事の続きです。

僕の感覚では、別にニートに限らず何事においてもだけど、自己責任と、それ以外の自分でどうしようもないことの割合は50%50%くらいだ。
割合はわかりませんが、人生が運の要素にかなり左右されることは否定しません。

自己責任論を主張する人たちは「普通に頑張ればなんとかなるはずだ」と言う。しかし、ある人の生活がうまくいかないとき、それは本人の責任ではどうしようもない原因のせいであることが多くないだろうか。
私は自己責任論者ですが、「頑張ればなんとかなる」とは限らないことは認めます。いくら頑張っても運が悪ければどうにもならないこともあるのが現実です。

しかし、だからといって自分以外の他人にその責任があることにもなりません。著者の感覚に従えば、半分は自己責任で、半分は誰の責任でもない、ということになります。

日本国政府がやっている所得の再分配や生活保護は、よく考えると何の責任もないはずの他人に(間接的に)貧乏人に富を分け与える義務を押し付けているという点で、けっこう理不尽な制度だと思います。

ゲーム風に言うと「人生は初期設定によって難易度がイージーかベリーハードかが違いすぎるクソゲーなんじゃないの」ということだ。
はい、その通りだと思います。
ただし、ベリーハードモードでプレイしているのは日本のニートではなく、たとえばアフリカの最貧国に生まれた人たちでしょう。日本人は運が良ければベリーイージーモード、普通でイージーモード、最低でもミディアムモードでプレイできるという特権を持っています。

自己責任論を言う人たちは、そもそもある程度恵まれた環境で育って、たまたま予想外のアクシデントにも合わずにこれまでの人生を送ってこられたせいで、そうじゃない人生のことが想像できていないんじゃないだろうか。
確かにそういう人も少なくないとは思いますが、私は想像できています。
その上で、私にとってはどうでもよい他人の人生の責任のごく一部でも、意志に反して負わされることがなければいいなと思っています。

もちろん、昨日の記事で触れたように、余裕のある人々が自由な意志に基いて困っている人々を助けることは否定しません。現状ではそれが税金や社会保険料の支払い義務という形で間接的に強制されていることに問題があり、下手に公的な制度が存在するが故に、さらに私的な負担をしようという動機が失われている面もあるような気がします。

関連記事: 『ニートの歩き方』は未読ですが
(つづく?)

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2012年12月01日

『ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法』 pha (著) その1



図書館で2ヶ月待ちでした。

 もう一つよく言われる言葉としては「仕事をせずに食うメシはうまいか」「仕事の後のビールはうまい」というようなことなんだけど、これも、仕事をしなくてもごはんはうまいしビールもうまい、と自信を持って言える。僕が働かないことに特に後ろめたさを持っていないからなんだろう。
 というか、ごはんやビールは何もしなくてももともとうまいものだし、仕事をしているかどうかは全く関係ない。そんなところに労働とか倫理の問題を絡めるのはごはんやビールのうまさに失礼だと思う。
酒は飲まないのでビールのうまさはわかりませんが同感です。
むしろ、会社員時代昼休みに慌ててかきこんだランチよりも、無職のいま家でゆっくり食べるランチのほうが美味いのは間違いないと思います。

ネット経由で入る収入は今でも月に七、八万くらいだけど。
年収90万円ほどですか。東京で賃貸暮らしだと厳しい金額かもしれませんが、海外生活も視野に入れれば貯金する余裕も生まれるのではないでしょうか。

Bライフ研究所によると、社会保障の支払いを最小限に抑える理想的な年収のはずですが、
年収80万円くらいだった翌年の保険料は毎月八千円くらいだった。(p.185)
なぜこんなに高くなったのかは謎です。

ネットによって胴元が不要になる
(中略)
病気や事故に遭った人にみんながインターネットから少額のお金を振り込むというカルチャーが定着して順調に回っていったとしたら、それは保険制度と同じような効果を保険会社という胴元抜きで実現するようなものじゃないかと思う。
(中略)
みんなが自分よりお金がなくて困っている人に収入の2%くらいをあげるようになったとしたら、それは現在政府が行っている累進課税や生活保護などの「所得の再分配(金持ちからお金を取って貧乏人に渡すこと)」を、政府という胴元抜きでやっているようなものになるんじゃないだろうか。
その通りで、リバタリアンが目指しているのはこういう自発的な互助・再分配システムですよね。
胴元が民間企業ならまだマシですが、日本国政府のようにテラ銭をぼったくる胴元がいると、金持ちから毟り取って貧乏人に渡すまでの間にどんどんお金が目減りしてしまいます。

何もしないのが偉いってわけじゃないけど、別に何もしなくても全然構わないと思うのだ。人間のすることなんて所詮やってもやらなくてもいいようなことばっかりだ。
同意します。

それに、放っておいたら大体の場合、人間は自然に何かをしようとするものだ。
特にやることもなく時間も体力も気力も余っていて余裕があれば、大抵の人間は自然に何かをしたくなってくる。だから人間は無限に怠惰ではいられない。
そうですね。「退屈」という感情はそのためにあるんだと思います。
ただ、したくなる「何か」が生産的な活動とは限らないので、たとえば放っておいたら自然にゲームがしたくなった場合などは、勤勉な人から見たらやっぱり「怠惰」に見えるのかもしれません。

「無理して頑張らなくても構わない」ということになると、みんな怠惰になって何もしなくなって社会が崩壊してしまうとか言う人がいて、そういう人たちが怠惰な人を叱りつけたり脅したりするんだけど、くだらない。叱ったり脅したりしないと崩壊してしまうようなシステムはロクなものじゃないし、そんなんだったら別に滅んでもいいと思う。
ここも同意。
それで実際に滅んだのが共産主義経済というシステムなわけです。

(つづく)

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