2010年07月12日

『政権交代バブル』 竹中 平蔵 (著)

参院選終わりましたね。
政治に期待するだけ無駄かとも思いつつ、投票してきました。
どこに入れたかは、政治ポジションテストを見てもらえばだいたい察しがつくと思います。



2009年の政権交代直後に書かれた本です。
民主党よ! 公約不履行の覚悟を持て
竹中さんの声が届いたのかどうかわかりませんが、実際、民主党政権は公約不履行のオンパレードです。

君子は豹変せねばならない―――それも早いタイミングで豹変しなければ、かえって国民の信頼を失います。
いや、どんなタイミングであれ豹変する君子を信頼しろというのは無理な話です。
民主党に限らず、選挙の時だけ大風呂敷を広げておいて、当選してしまえばこっちのもの、みたいな政治家が多すぎるのではないでしょうか。公約を信じて一票を投じるに値する真っ当な政治家、政党がなかなか見つからないので、多くの国民は政治不信に陥っています。これだけ公約不履行が繰り返されたら、誰も信じられなくて選挙権を行使しない有権者がいるのも無理はないでしょう。

「官僚社会主義」の台頭
(中略)
2009年6月には経営危機の日本航空を支援するため、日本政策投資銀行の融資に政府保証を付けることが決まりました。政府保証とは、社会主義的な発想そのものです。しかも今回のケースには何の法的根拠もないのです。官僚が恣意的な介入をしている典型であり、自分たちの言いなりになる企業だけをえこひいき的に保護しようとしています。
このような官僚主導の政治は一刻も早くやめさせる必要があり、この点で民主党の公約自体は間違っていなかったと思います。

消費税というと、もっぱら「社会保障に使う」という印象が強いのですが、これは財務省のキャンペーンの影響で作られたイメージです。社会保障の財源にしておくかぎり、消費税を国税のままにしておける。財務省が押さえておけるという目論見です。
確かに無意識のうちにそのようなイメージを刷り込まれていますね。恐ろしいことです。

そもそもおカネには、一枚一枚を見分ける「色」はついていません。道路のような特定財源にしない限り、「消費税相当額」を社会保障に使うことはできても、「消費税を社会保障に使う」という言い方はありえないのです。
 社会保障は、もともと所得再配分の役割を担っています。所得の再配分にふさわしい税金とは、累進課税できる所得税です。その意味でも、社会保障目的には所得税を活用すべきではないでしょうか。国民から等しく取る消費税は、所得の再配分にはふさわしくないのです。
なるほど、その通りです。
最終的には所得の再配分機能は所得税に集約して、それ以外の負担は均一にするのがベストですね。徴税コストが激減する上、負の所得税を導入すれば生活保護さえ要らなくなると。

このようにいくらでもコスト削減の余地が残っているのに、二大政党は増税路線を突き進もうとしているのですから困ったものです。

もはや誰にとってもグローバリゼーションを避けることはできません。選ぶ・選ばないを選択できる時代ではなく、厳然たる事実として受け入れるしかないのです。
同感です。

SAABというスウェーデンの自動車会社が破綻寸前の状況に陥り、政府に救済を求めました。イメージとしては救いそうでしょう。しかし、実際は違いました。スウェーデン政府は救済を拒んだのです。そんな弱い企業を生かしておいたら、グローバル化が進むなか自国の経済が弱くなってしまうからです。
 スウェーデンのように高水準の社会保障をやろうと思えば思うほど、経済は強くなければならない。基本的に政府は、救済に対して消極的です。そのためスウェーデンでは、中小企業は淘汰されて数が少なく、競争力の高い大企業、中堅企業が経済の中心を担っているのです。
これは知りませんでした。経済政策的には日本よりアメリカに近い国なんですね。
優れた経済政策は大いに真似れば良いのですが、スウェーデンのような大きな政府を目指すのは反対です。

日本の法人税率は、海外と比べてきわめて高い。事業税率と住民税率を含めた実効税率は約40%に達します。一方で、アジアの多くの国々は20%か、それ以下。これでは競争になりません。
 こういうと、すぐに「儲けている企業を優遇するのか」という批判が出てきます。
(中略)
しかし、儲けている企業こそ大事にしなければなりません。儲かっていない企業を大事にするのは、資源の非効率な分配を温存するだけです。イギリスのチャーチルは「損をしている企業こそ悪徳企業である」と語りました。
(中略)
にもかかわらず、麻生政権は政策投資銀行を使って潰れそうな大企業を救おうとしました。このような企業は経営責任を厳しく問い、強い経営をしている他の企業に吸収させるべきなのです。
そうですね。
日本は資本主義の国なのに、なぜか儲けている人や企業ほどバッシングされる傾向があるのが、とても不健全だと思います。

参考記事:
政権交代バブル: 投資ねばねば日記
乙川乙彦の投資日記: 竹中平蔵(2009.11)『政権交代バブル』(Voice select) PHP 研究所

この記事に拍手する

人気ブログランキングへ
posted by 遊民 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック


ブログパーツ