2014年06月14日

『未来の働き方を考えよう』 ちきりん(著) その1



これは「働き方」の本だから無職の私にはもう関係なさそうかな、と想像してましたが、読んでみたら共感できるところがたくさんありました。働き方も含む「生き方」を考えるための本だと思います。

人生の有限感
ジョブズ氏だけでなく起業家には、この「人生は有限だ」という感覚を強くもっている人がたくさんいます。
(中略)
普通の人はいろんなことが不安で、人生にやたらと保険をかけます。「こんなことをしたら収入が減るのではないか」、「こんなことをしたら友だちに嫌われるのではないか」などと考え、思い切った決断ができません。
それが「普通」なのかどうかはわかりませんが、たしかにそういう慎重なタイプの人はどこにでもいますね。行動経済学的に言えば現状維持バイアスが強い人かな。

普通の人がそういう不安に怯えるのは、本当の不安を知らないからでしょう。本当の不安とは、人生が終わるという瞬間が、明日にもやってくるかもしれない、ということです。それにくらべれば、その他の不安など質的に全く及ばないところにあります。だから死の意識や人生の有限感をもつ人は、それ以外の細かい不安に怯えません。最も大事なのは何なのかが、わかってくるからです。
その通りだと思います。名付けてちきりん博士の「不安相対性理論」。

もちろん私にとっても、最も起こってほしくない不幸なことは今すぐに人生が終わることです。たとえば今晩床についたあとに心臓発作で死ぬとか、不治の病にかかって余命宣告を受けたりする不安を、どうあがいても拭い去ることができません。

でもなぜか多くの人は、自分が死ぬのはまだ当分先のことで、自分の身にそんな不幸は訪れないだろうと、根拠のない自信を持っているようなのです。10年前の私もそうでした。うちの親なんか70過ぎてもまだそう思っているフシがありました。
そんな自信家たちでも、老後のお金や健康のことになるとけっこう悲観的で、何重にも保険をかける上述の慎重なタイプの人だったりします。見ていてバランスがおかしいなと思います。

「いつか」ではなく「今」やろう
多くの人は若い時にお金がなく、休みが取れないため、定年してから12時間も飛行機に乗って欧州や南米の遺跡を訪ねます。でもそれは、誰にでも可能なことではありません。たとえ可能であっても、若い時と同じように楽しめるかどうかは誰にもわかりません。
今は健康に自信のある人でも、年を取るということを甘く見ないほうがいいということです。
(中略)
だから絶対やりたいことは、「いつか」ではなく「今」やっておくべきなのです。
同感です。
老化するということは、ただそれだけで人生の自由度が下がります。もちろん自分自身に老化現象が現れるとわかることなんで、大体40歳を過ぎれば嫌でも体感することになるはずですが、30年後までの老化を明確にイメージするには、最も身近にいる人生の先輩、親やその兄妹というサンプルを観察するのが一番わかりやすいでしょう。

私の親は概ね健康ですが、最近は旅行に誘っても乗ってこなくなりました。金銭的には問題ないのに気力、体力の衰えは隠しきれず、彼らの人生の自由度はとても低くなったように見えます。

前述したとおり、長生きリスクに対して経済的に完璧に備えるのは不可能です。自分が100歳を超えるまで生きても、自費でやっていけるほどの資産形成ができる人など、ほとんど存在しません。心配してもどうしようもないリスクなんです。
それなのに多くの人が、今やりたいことを我慢してまで、とめどなく長生きの経済リスクに備えようとします。しかしどんなに頑張っても、その不安が解消されることはありません。
仰るとおりです。
長生きしすぎてお金が足りなくなる不安が解消されるのは、自分が死ぬとき以外にないと思います。
経済リスクに限らず、健康や食の安全の分野でもこの手の「ゼロリスク症候群」を患っている人をよく見かけますが、合理的ではありません。
そういう思考様式の問題点をわかりやすく指摘する記事があります。生き方にも応用できる良記事だと思います。
参考記事: ゼロリスク症候群 : がんと向き合う 〜腫瘍内科医・高野利実の診察室〜 コラム : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

時々、「あと2年働くと退職金が○○万円増えるから、そこまでは我慢する」という人がいます。
(中略)
本当にその額が、「2年間の自由」、「2年分の人生」より、自分にとって大きな価値があるのかと。
そうですね。
60歳を目前にしてまだ時間よりお金が欲しい人の気持ちが、私にはよくわかりません。

(つづく)

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