2017年03月29日

インデックス投資の面白さは節約の面白さに似ている

夢見る父さんさんのブログより。
 ちょっと前にインデックス投資家は投資家かみたいな話しがでて、個人的には何でもかまわないのだけど、インデックス投資は面白くないという結構ありがちな意見がでていました。僕の場合、インデックスに限らず投資の面白さというのが分かりません。  参加しました。下のボタンを励みのために押して頂ければ幸いです。...
yumemirutosan.blog.fc2.com
ちょっと前にインデックス投資家は投資家かみたいな話しがでて、個人的には何でもかまわないのだけど、インデックス投資は面白くないという結構ありがちな意見がでていました。
そういう話があったことを水瀬さんのブログで知って驚きました。投資家の定義については辞書に載っている通り、で終わる話だと思います。

他方、インデックス投資が「面白い」か否かというテーマなら、ひとそれぞれの嗜好や感性の違いによって答が分散するはずです。確かに、インデックス投資家自身も含めて「面白くない」と答える人が多数派になりそうですが。

用語の定義の問題と個人の嗜好の問題を混同するから、話が明後日の方向へ向かうのではないでしょうか。

僕の場合、インデックスに限らず投資の面白さというのが分かりません。
私の場合だと、そもそも投資は一定の目的を達成するための手段にすぎないので、面白いか否かという切り口で捉えたことが今までは無かった、というのが正直なところです。

この機会にインデックス投資の面白さについて初めて考えてみました。

私がインデックス投資を選択している最大の理由は、効率的市場仮説の下では他の投資家を出し抜いて市場平均を上回るリターンをあげ続けるのは難しく、仮にそれができたとしても割に合わないと思うからです。

たとえば学校の期末試験なら、時間をかけてしっかり勉強すれば学年平均以上の点数を取る可能性は非常に高くなりますし、遊び呆けて全く勉強していない人が平均点を取れるなんてことはまず起こりません。

ところが株式投資の場合は全く異なります。市場が非常に効率的で僅かな歪みしかないので、じっくり時間をかけて銘柄の取捨選択を行ってもそれに見合った期待リターンの上昇はないし、普段から遊び呆けている人でもインデックスファンドを買うだけで平均点を取れてしまいます。このような金融市場特有の法則を抜け目なく利用している点が、インデックス投資の面白さだと私は思います。

今では当たり前のように誰もが利用していますが、インデックスファンドは世紀の大発明です。「人生の限られた時間を投資に費やすことなく、ほんの僅かな信託報酬を払えば平均点が取れる」ことのありがたさは計り知れません。学生時代、試験勉強に毎度うんざりしていた(もっと遊びたかった)私からすると、夢のような「お得感」があります。超お買い得。今風に言うと、コスパ良すぎ。

このあたりの感覚は、節約術において効用を下げずにコストを下げる方法が見つかった時の面白さにも通じるものがあると思います。インデックス投資の場合は、効用(期待リターン)を下げることなく、時間や労力を大幅に節約できるのが魅力です。節約術の中でもこれほど効果の高い方法は他に見たことがありません。

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2017年03月26日

日経BPの記事「資産1億円ぽっちでリタイアする人の末路」が酷すぎる件

日経BPより。
「1億円程度の資産で引退すると苦境に立たされかねない」と指摘する専門家がいる。本当に安全に引退するには結局、いくらの資金が必要で、どのようなポートフォリオを組むべきなのか。
business.nikkeibp.co.jp
既に多くのブログで取り上げられている大人気の記事です。

それもそのはず、書いてあることがハチャメチャすぎて、ツッコミどころ満載だからです。私は日経BPの会員登録をしていないので2ページまでしか読めませんでしたが、もうそれだけでお腹いっぱい。

いきなり最初の質問で
「1億円程度では、余裕のあるアーリーリタイアは難しい」とのことですが、にわかには信じられません。まず、「仮に今、手元に1億円があり、そのカネを元手に投資商品を購入し、その分配金や配当だけで暮らせ」と言われたら、資産運用のプロとしてどういうポートフォリオを組むか、提示してもらえますか。
「分配金や配当だけで暮らせ」などという無理矢理な条件で縛り上げたポートフォリオの提示を要求していることからして、既に狂気の沙汰なんですが。手元に1億円あるなら、インカムゲインなど追求せずにそれを取り崩して暮らしたって全然構わないんですよ。この質問自体にツッコんでいる人はいなかった気がするので、一応ツッコんでおきます。

玉川:分かりました。まずは1億円のうち3000万円はVXXのショートに使います。
玉川:何もなければ、“理論的には確実”に価値は減衰し、価格は下落して行きます。
投資の世界で「確実」なんて言葉を使う人は、ものすごく怪しいと思います。
リーマンショック級の暴落が来れば恐怖指数は3倍に跳ね上がり、VXXショートなんて一瞬で溶けるのでは? 確率は低いものの、現にリスクを取っているのにどこが「理論的には確実」なのかさっぱり分かりません。

こんなハチャメチャな回答をする玉川陽介氏って一体何者なんでしょう。「手持ち200万円から始める! 低リスク・高利回りの不動産投資」
「勝者1%の超富裕層に学ぶ「海外投資」7つの方法」
「勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方」

見るからに怪しいタイトルの著書が並んでいて、いかにもぶっ飛んだことを言いそうな人だろうなと、妙に納得してしまいました。投資のことをまだあまり知らない人がこういう本に手を出すと、その怪しさに気付かないかもしれず、大変危険です。

それから、早期リタイアやそれに必要な資産運用について学ぶなら、日経の記事なんかよりもそれらを実践している個人ブログが山ほどあるので、そちらを読む方がよほど有益です。前回とりあげた年金の記事もウソばっか書いてるし、日経の記事は信用に値しません。

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2017年02月15日

リタイア後に「安心」を追求する危険性

内藤忍公式ブログより。
「老後に安心できる生活をするためにはいくら必要?」というのはお金に関する定番の質問です。仮定を設定すれば必要額を機械的に計算できますが、そもそも資産を持っていれば安心という発想が間違えているのです。
(中略)
「何歳まで生きるか」というのは不確定ですから、いくらあれば安心かという「資産額」の議論には結論は無いのです。
「安心」という感情を基準にするならば、確かにこういう回答が正しいと言えます。しかしなぜ「安心」を基準に意思決定することが当然のような前提を置いているのか、そこに大きな疑問があります。「そもそも」論で言うなら、資産かキャッシュフローか以前に、まずそんな基準で本当にいいのかと考える事から出発する必要があるのではないかと。(後述)

私が知っているシニアの年金生活者は、国債を解約して中古ワンルームマンションを2戸購入しました。それまで国債から入ってくる金利は年間で2万円程度。それを不動産にした結果、キャッシュフローが入ってくる仕組みができ、毎月の手取りは16万円(年間約200万円)になりました。国債の100倍近いキャッシュフローが手に入るようになったのです。
こういう場合、目に見える手取り収入だけでなく、元本部分の価格や各種コストを全て合計したトータルリターンを比較しないと意味がありません。不動産の時価がいくらになっているのかを無視して、キャッシュフローの部分だけ取り出して2万円が200万円だから100倍!みたいな計算をする行為は、「心の会計」の典型であると思います。

ちなみに私もこの事例とよく似たワンルームマンションのオーナーを知っていますが、見かけ上の収入とみなされるキャッシュフローが多いので、国民健康保険・介護保険は毎年80万円以上払っているようです。キャッシュフローによって税金や社会保険料が跳ね上がるコストもきちんと加味しなければ、正しい比較はできません。

するとそれまでは、ひたすら節約生活をしていたのが、入ってくる家賃収入は使っても良いと考えるようになりました。
これもお金に色をつけて区別する行為であり、典型的な「心の会計」の罠に嵌っている人の考え方です。

リタイア後に毎月使っても良い金額が、資産運用の「トータルリターン」に比例して増えるのだ、と言っているならわかります。しかし、「キャッシュフロー」があればそれは全部使ってもいいが国債の元本部分に手を付けるのはダメ、みたいな区別はナンセンスです。

収入は緩やかに減っていくかもしれませんが、持っている預貯金と切り崩していく生活よりずっと安心感があります。
ここでもひたすら強調されているのは「安心」のみで、「安全」だとは一言も言っていないところがポイントです。

不動産投資とは、リスクを取ってトータルリターンを高めようとする行為です。国債を売って不動産を購入すれば、期待リターンは高くなりますが、ポートフォリオのリスクは上がり、資産の安全性は下がります。「安心」という感情を優先してキャッシュフローを獲得しに行った結果、皮肉にも「安全」が犠牲になっている事例だと言えます。

人間の脳に生じる安心、不安という感情は、必ずしも客観的な安全、危険と一致するものではなく、両者が無相関や逆相関になっている場合も少なくありません。

わかりやすい例を挙げると、「飛行機に乗るのは不安だけど、自分で車を運転すれば安心」というのがあり、実際の安全性とは逆になっています。これが脳のバグによって生じる不合理であることを知らなければ、危険な方を選んで安心するというおかしなことが起こります。

関連記事:
昨日の記事の続きです。
koutou-yumin.seesaa.net
本書の要約として最適な記述が後書きの中にあります。 ほんとうに、こういう生活は合理的なのか、理性的で文化的な…
koutou-yumin.seesaa.net
9.11のテロ後1年間、恐怖に駆られて移動手段を(より安全な)飛行機から(より危険な)車へシフトした米国人が増え、その結果命…
koutou-yumin.seesaa.net
Kotaroさんのブログより。 貯金を取り崩す生活は不安か
koutou-yumin.seesaa.net
NightWalkerさんのブログより。 アーリーリタイヤ…
koutou-yumin.seesaa.net


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2017年01月27日

早期リタイア・セミリタイアしたい人のお金の悩み相談 - 慎重すぎる人の例

1年以上前の記事ですがこんなのを見つけました。
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は5年後の完全リタイアを検討している50代の会社員男性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。
allabout.co.jp
20151018zu1.GIF

私の独自基準であるACRを計算してみたところ、ACR=77と出ました。
つまり相談当時の45歳50歳時点で即リタイアした場合でも、資産が底をつくのは122歳127歳! しかも年金支給が0と仮定してこれです。5年待つまでもなく、即リタイア可能な状況と言えます。もっと言えば、5年前の40歳45歳時点でも十分に早期リタイア可能だった可能性が高いと思われます。

万が一、公的年金が受給できなかったとしても、65歳から90歳までの生活費は5000万円程度。少なくとも、手元にまだ1億1900万円残ることになります。
こんなにお金が余ってしまうことも勿論もったいないのですが、それ以上にもったいないのは時間ですね。即実行可能なリタイアをズルズルと先延ばしにして、5年や10年という多大な時間を失うことに何の喪失感もないのだろうかと、不思議で仕方がありません。

ご相談者は「かなりの心配性」とのことですが、資金的にこれだけ余裕があれば、早期リタイアを2020年からさらに前倒ししても、大丈夫です。
極めて正しいアドバイスだと思います。FPと言えば老後の経済的リスクばかり煽る人が大人気で目立っている印象ですが、こんなまともな人もいると知って少し安心しました。

投資スタンスについては、偏りを心配されていますが、私も同意見です。国内株式に90%投資しています。
私も同意見なのですが、このFPさんは株式から債券への分散を推奨しているだけなので、私からは国内だけでなく世界中の株式に分散することも付け加えておきます。

訂正:相談当時の年齢が50歳でした。55歳リタイアとかいくらなんでも遅すぎるだろうと、勝手に脳内補正してしまった(^_^;)
数字を訂正しておきます。

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2016年12月31日

2016年末の資産残高推移

年に一度の資産残高集計を済ませました。

資産残高推移2016.png

2016年の資産残高の変動は、JPYベース(青線)でマイナス1.7%、USDベース(赤線)でプラス1.1%となりました。株価も為替もそこそこ変動があったようですが、終わってみれば私の名目資産残高はほとんど変わらず。至って平穏な1年だったと言えるでしょう。最近は円安円安と騒がれているけど、1年前は1ドル120円だったので今年の方がまだ円高なんですよね。

年間支出は去年より11%増。明らかに資産過多の状態を解消すべく、財布の紐を緩め始めた結果だと思います。

リタイアした年である2007年からのデータを並べてみましょう。
2007年: +6.8%
2008年: -37.4%
2009年: +17.3%
2010年: -4.7% 年齢+ACR=77
2011年: -13.7% 年齢+ACR=76
2012年: +19.2% 年齢+ACR=89
2013年: +31.5% 年齢+ACR=106
2014年: +15.4% 年齢+ACR=120
2015年: -1.0% 年齢+ACR=126
2016年: -1.7% 年齢+ACR=118

ちなみに、私の余命をやや多めに40年と見積もった場合でも、人生の時間残高はこの1年で2.5%減少したことになります。お金が減るより速いペースで人生の残り時間が減少していることを実感せずにはいられません。

1年前の記事。
年に一度の残高集計の時期になりました。 去年の記事はこちら⇛2014年末の資産残高推移 今年の資産残高はJPYベース(青線)で−1.0%という結果になりました。 赤線はUSD換算した資産残高推移で、今年…
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2016年12月03日

「貯株」という表現がとてもしっくり来る

yutoさんのブログより。
私の中で一つ不思議なことがあります。それは、読んでるとムカついてその人の言い回しにイライラするブログがあるのですが、ついつい読んでしまいます。これまでアンチ巨人の人とか嫌いなら見なきゃいいのに、といつも思っていましたが、同じような状況だと思います。。何に
blog.livedoor.jp
1998年から、インデックスファンドをドルコスト平均法で毎月定額購入して、売却せず、ただただ貯株しています。
ブログ歴はまだ2年余りのようですが、インデックス投資歴は既に18年にもなる大先輩でした。

1998年に私は何をしていたのかよく覚えていませんが、自宅マンションを購入して間もない時期だったので住宅ローンを返済しつつ、投資は自社株の持株会だけという時代だったかも。優待狙いの個別株に手を出し始めたのがもう少し後で、インデックス投資という王道の存在を知るのはさらにその後だったはずです。

話が逸れましたが、この「貯株」という表現が気に入りました。「貯金」の「金」を「株」に置き換えただけなのですが、ワタシ的には非常にしっくり来ます。私の感覚では、投資や資産運用ってそんな特別な事じゃなくて、銀行口座にお金を預けるのと同じように、証券口座に株を預けているだけのことなので。

また、世間的には「株式投資」という言葉のイメージが短期的なトレーディングの意味に偏っているフシがあり、ただ資産を株式で持っているだけなのに「あの人は株をやっている」みたいな表現をされることに、大きな違和感がありました。株って「やる」もんじゃないですよと小一時間説教したくなります。

これからは、「貯株してるんです。貯金と同じように、株を貯めているだけなんですよ。」と言えば、少なくとも日々忙しくトレーディングをしているという誤解からは解放されるでしょう。無職なのにどうやって暮らしてるんですか?と聞かれた場合でも、「貯株を少しずつ下ろして生活しています。」と答えるだけで嘘偽りなく説明できるので大変便利です。

余談。
ブログを書き始めてから、なんとなく、個人情報を小出しにしてきたが、ここでは誰にもまったく公開したことのない私の金融資産推移を晒してみることにしました。年  金融資産  通算損益1998  6,718,806  -785,5461999 13,593,500  4,285.4442000 10,239,052  1,297,4
blog.livedoor.jp
1998 6,718,806 -785,546
1999 13,593,500 4,285.444
2000 10,239,052 1,297,464
2001 19,591,427 4,059,901
2002 14,352,136 1,310 439
2003 12,881,353 6,371,162
2004 14,379,599 8,306,950
2005 26,306,517 17,253,683
2006 17,622,014 15,670,193 ⇒マンション購入の為換金
2007 15,443,616 13,584,042
2008 9,124,288 4,927,114 ⇒サブプライム問題、リーマンショック
2009 11,095,410 5,764,440
2010 14,338,417 7,071,828
2011 17,138,324 7,187,514
2012 21,307,509 9,240,684
2013 41,442,469 27,279,763 ⇒アベノミクス!
2014 46,337,046 30,542,340 ⇒黒田バズーカ2!
2014年の行から計算すると、16年間の積立貯株のトータルリターンがプラス193%と出ました。積立てたお金がほぼ3倍になってます。 日本株インデックスのリターンより遥か上を行っていますので、個別株の中にホームラン銘柄でもあったのかもしれませんね。

いずれにせよ、暴落にも動揺せず毎年淡々と積立てるだけでこれだけのリターンを叩き出したという事実は、ほったらかし投資派にとって朗報です。

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2016年11月25日

「公的年金を損得で考えてはいけない」という暴論

菟道りんたろうさんのブログより。
個人投資家の視点から投資信託やETFを使った国際分散投資についての考察と実践方法を研究するブログです。
arts-investment.blogspot.jp
公的年金制度について議論すると、すぐに「現役世代は損をしている」といった発言が飛び出し、なかには「自分で運用して老後に備えるから、これまで徴収した保険料を返して公的年金制度を廃止しろ」といった頭の悪い暴論まで口にする人がいます。こういった議論は、ほとんどが年金制度を“損得勘定”で考えているからのですが、これが大きな勘違いなのです。そういう誤解を解きほぐす意味で、山崎俊輔さんが素晴らしい論考を書いていました。
公的年金制度を損得勘定で批評することが「頭の悪い」ことだとは思いませんし、現行制度の下では「現役世代は損をしている」のも事実ですから、これが「大きな勘違い」という指摘も的外れだと思います。

リンク先の山崎俊輔氏の論考ですが、既視感が強い内容だと思ったら、4年前にも日経によく似た内容の記事を書いていた方でした。前回同様、今回の連載記事も全力で公的年金制度を持ち上げる内容であり、まるで厚労省制作のプロモーションビデオを見ているような、たいへん気持ちの悪い読後感を覚えました。関連記事:
NightWalkerさんのブログにこんな記事がありました。 「年金は払い損」と考えるのは間違い: NightWalker's Investment Blog 日経の元記事を読んでみたらなんとも言えない違和感が…。 ■年金は働けないとき所得を補う社会保障で…
koutou-yumin.seesaa.net


そもそも公的年金は、健康保険や介護保険と同じく社会保険の一種ですから、あくまで「保険」です。保険である以上、最初から損得勘定で論じてはいけないのです。
保険でも損得勘定で論じることは一向に構わないでしょう。むしろ、保険だけは損得勘定で論じないという考え方は不合理です。

同じ金融商品でも投資信託のコストなら0.01%の差にもあれほど敏感なのに、保険というカテゴリーになった瞬間にいきなり「損得で論じてはいけない」というレベルまで落ちてしまう、この激しい落差はどこから生まれるのでしょうか。これではまるで、超高コストの生命保険を売りに来る保険会社のセールスパーソンの話術と同じじゃないですか。

極論すれば、保険は損に決まっているからです。
損に決まっているのだとしても、その損の程度を無視してよいことにはなりません。公的年金の世代間格差については、世代によって期待リターンが大幅に違う事が問題なのであり、それがマイナス1%なのかマイナス50%なのかによって全く違う評価になるのは当然です。大雑把に「損」という側面だけを見て一括りにする論法こそ、「暴論」と呼ぶに相応しいでしょう。

参考記事:
公的年金をしっかりと払い続けていれば、資金の心配なく、悠々自適な老後を送ることができる。公的年金制度が開始された頃、多くの人はそう信じて毎月の保険料を納め、老後に備え始めました。事実、現在75歳以上の
www.minnanokaigo.com

(つづく?)

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2016年11月01日

早期リタイア失敗事例として紹介されている記事を読んで思うこと

NightWalkerさんのブログより。
Yomiuri Online 社会保険労務士 田北百樹子さんです。 「こんなはず...
nightwalker.cocolog-nifty.com

紹介されていた記事がこちらです。
悠々自適 夢のような第二の人生 「セミリタイア」。ここでは、資産や収入源を確保し、定年前に会社を辞め、海外移住したり、田舎で菜園を持ったり、のんびりとマイペースで暮らすという意味で使っています。
www.yomiuri.co.jp

早期リタイア予備軍の皆さんにとっては、こういう失敗事例も大いに参考になるのかもしれないとは思うものの、今のところ早期リタイアは大成功だったという確信に満ちている今の私にとっては、残念ながらかなり違和感のある内容でした。

A男さん夫婦の事例。
「私たち、社宅暮らしだったでしょ。社宅って不思議な場所で、夫の役職が変わると妻たちの上下関係が変わったりするの。おかしな派閥もできあがるのよ。やっと解放されたと思ったのに、あんなふうに仲間外れにされるなんて。これからどうやって暮らしていけばいいの?」
NightWalkerさんもご指摘の通り、こういうのは早期リタイアとは関係の無い、本人の性格の問題です。「周囲の人間から仲間外れにされたら幸せに暮らしていけない」と考えるような面倒くさい人コミュニティ指向が強い人は、そうでない人と比べたらどんな環境でも苦労が絶えないのは仕方がない事でしょう。ご主人の早期リタイアという決断が失敗だったかのように書かれているのは変だと思います。

C子さんの事例。
とはいえ、投資がいきなり利益を生み出すことはなく、C子さんは当面の生活費を退職後の失業保険で賄おうと考えました。
そもそも投資とは名ばかりのネットワークビジネスから得られる利益をあてにして、30代でリタイアするなんて余りにも無謀と言わざるを得ず、失敗の主因はそこにあります。しかしこの記事ではなぜかそこは深く突っ込みません。その一方で、ほんの一時の生活費が失業給付で賄えるかどうかなんて枝葉末節でしかない事が、「まさかの失業保険不正受給」という見出しで重大事件のように書かれているのは、フォーカスすべきポイントが思いっきりずれているのでは…。

E夫さんの事例。
老後の年金額を試算し直すと、年金だけで生活するのは難しく、貯金にも手を付けなければならなくなりそうです。
リタイア後に貯金に手を付けることの何が問題でしょうか?
なにゆえ「年金だけで生活する」という縛りプレイを実行しようとしているのか、それができなければ資金計画は失敗、みたいな扱いになるのか、全くわかりません。

しかし、セミリタイア後の人生を楽しむには、<1>複数の安定した収入源<2>新しい環境への順応性――の二つが必要不可欠なのかもしれません。
<2>は不明ですが、今の私に<1>はありません。無職無収入です。それでもリタイア後の人生は最高に楽しいのです。「必要不可欠」は言い過ぎでしょう。そもそもリタイア生活に収入は不要だと思います。

関連記事:
当ブログへのアクセスランキングに新しくランクインしていたブログに、次のような記事がありました。 金利で食うのは庶民の夢か?│ひとり配当金生活(予定):もう20年ぐらい前の作品ですが、福本伸行の怪作漫画「銀と金」の作中に、金利で食うのは庶民の夢、っていうくだりがあるんですよ。で、仕手本尊の梅谷の答えがこれ。今でも印象に…
koutou-yumin.seesaa.net

前回の記事とよく似たことが書かれている記事がありました。 誠 Biz.ID:結果を出して定時に帰る時短仕事術:人生の前半では時間を売り、後半では時間を買う:年を重ねてアルバイトをやったり、就職して会社に入ると、少しずつ自分が管理できるお…
koutou-yumin.seesaa.net

世の中には「不労所得でリタイアしよう!」みたいな怪しい話がそこら中に転がっていて、リタイアするためには労働所得の代わりに「不労所得」というものを手に入れることが必須であるかのように思われているかもしれません。 しかし、リタイア後の生活費をすべて不労所得で賄う必要はありません。 資産の取り崩しで賄っても一向に構わないのです。むしろ、その方が有利です。 なぜなら、「不労所得」はその全額が所得税の対…
koutou-yumin.seesaa.net


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2016年10月08日

「もったいなくて○○できない」の罠

正吉さんのブログより。
仙台に住んでるSさんから、「もうすぐ50歳」「今までさんざん我慢して給料上げてきたから今さらもったいないくてサラリーマン辞められない」「この先これ以上お金をもらえる仕事があると思えない」「だから辞めたいけど辞められない」
www.iwannabefree.info
なるほど、仕事が楽しくないのに会社を辞めない理由って、いろいろあるもんですね。自分が辞めるときは全く考えなかったことばかりなので興味深いです。
「この先これ以上お金をもらえる仕事があると思えない」
確かにこの理由はしっかり未来の方向を見たものなので合理的です。リタイアするにはまだお金が足りない状態ならば、最も効率よくお金を稼げる今の仕事を辞めない方が、結果的には早くリタイアできるでしょう。

「今までさんざん我慢して給料上げてきたから今さらもったいなくてサラリーマン辞められない」
問題はこちらです。
おそらく年功序列賃金の傾斜が険しく50代になっても給料が下がらずノンワーキングリッチになれる職場なのでしょうけど、今までさんざん安月給や激務を我慢してきたのはサンクコスト(埋没費用)です。現在から未来に向かってする意思決定に、過去に払ったサンクコストは一切考慮すべきではありません。少しでもサンクコストのことを考慮に入れた瞬間に、その意思決定の合理性は失われます。

参考記事:
ja.wikipedia.org
この中の「例1:つまらない映画を見続けるべきか」に当てはめるなら、「今までさんざん我慢して給料上げてきたから今さらもったいなくてサラリーマン辞められない」という考え方は、「1800円も払ったのだし、既に1時間以上我慢してつまらない映画を見たのだから、今さらもったいなくて途中退出できない」みたいな話になります。

「もったいない」という感情を大事にすることは日常生活でコストを節約するのに役立つことも多い反面、それが過去の事象と結びついてしまうと、人はいとも簡単にサンクコストの罠にハマってしまいます。サンクコストに限らず、行動経済学の知見は知識として知っていなければ人は誰でもそう行動してしまう、という性質のものです。予め知識を身に着け、ここぞという場面では直感や感情に流されずに時間をかけて思考することが重要だと思います。

関連記事:


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2016年10月02日

仮想通貨は投資の対象になるか?

cubさんのブログより。
ども、日本一、仮想通貨に詳しいインデックス投資家を目指してるcubです。
新しい業界や世界が出来るとそれと同じく新しい業界用語が出てきます。
ビットコインの世界もまさしくそうで、ブロックチャーンな...
www.cubmaga.com
cubさんの意見に概ね同意です。

そもそも通貨とは何のために存在するのかと言えば、決済のためです。モノやサービスとの交換手段として便利だから人々に広く使われているのであり、通貨それ自体に何らかの利益を生み出すメカニズムが備わっているわけではありません。通貨と通貨を交換しあうだけのFXが投資ではなくゼロサムゲームだと言われるのもこのためです。

そして、この性質は日本銀行券や米ドル紙幣のような現物通貨だけでなく、ビットコインなどの仮想通貨にも当てはまると思います。株式や債券のようにプラスの実質リターンが期待できる金融資産とは全くの別物であり、したがって投資の対象になり得ると考えたことはありません。

一方、ビットコインなどの仮想通貨を決済手段として見た場合、世界中どこでも通用するグローバル通貨になれる可能性を秘めていると思います。原則国別に発行されたローカル通貨しか通用しない現状では、国が変わるたびに通貨を両替する手間とコストがかかりますが、グローバル通貨で決済可能になればその問題も過去のものになるでしょう。

「1年で200倍!」みたいな怪しい投機の対象としてではなく、人々の暮らしを豊かにする便利な道具として、グローバルな仮想通貨が健全に普及していくことを期待しています。

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