2017年11月25日

『無敵の思考』 ひろゆき (著)



こちらのブログで紹介されていた本です。彼の人生観に共感したので読んでみました。

その「できるだけ楽しく暮らす」ためのルールが21個列挙された本なのですが、正直、個別に共感できるものはそんなに多くはなかったです。そのうちの一つを挙げるとすればここでしょうか。

p.69
自分が快楽を得るためにお金が必要な人は、人生のランニングコストが非常に高くなります。
(中略)
 そこの欲と向き合うことをせずに、ただ欲のままにそれを満たし続けるのは、不幸な結末しか待っていません。
つまり「足るを知る」ことができるか否かですよね。有限な人生の中で無限の欲望を満たすことはできませんから、どこかに線を引いて諦めることになります。他人から見てランニングコストが高くても、自分が引いた線の内側に収まっていればそれでいいと思います。

p.149
今の時代は、「ここまでお金を貯めたら労働者としての生活は卒業して、ゆっくり生活できる」というラインが見えなくなります。
そのラインがはっきり見えていた時代の方が例外だったのだと思います。私の親世代はその例外にあたり、叔父たちも含め、きっちり60歳で定年退職して年金と資産を使いながらゆっくり生活している人が多いですね。

しかし今の時代でも、人間の寿命と自分の生活コストからするとだいたいこのへんにラインがありそうだなというのは計算できるので、ある程度稼いだらさっさとリタイアする人生も不可能ではありません。

暗い話になりましたが、安心できるまでお金を稼ぐことより、今の生活で満足できるように考え方をシフトするほうが手っ取り早いということがわかっていただけたのではないかと思います。
早期リタイアを志向するような人からすると常識とも言える考え方です。何よりも「安心」が第一と考える人は、早期リタイアなんて生き方は選択しないほうがいいでしょう。

p.206
先進国で生まれた人は、だんだん経済的に息苦しくなることが、おいらから見ると自明なので、「経済と自分の幸せを切り離せるか?」ってのが、大事なのかなぁ……、と思っています。
本当に経済と切り離してしまったら現代人は生きることさえ困難になりますよ。経済と自分の幸せが密接につながっていること自体は問題ではありません。ひろゆき氏が言いたかったのは、できるだけお金を多く稼いで多く使うライフスタイルに幸福を見出す人は不利だ、って事じゃないかと思います。

なぜそうなるかと言うと、お金を稼げば稼ぐほど、使えば使うほどに罰金が重くなるシステムだからです。参考ツイート:

こんな世の中だと、少なく稼いで少なく使うライフスタイルで十分幸せだと思える人のほうが有利です。

p.207
とはいえ、この本は編集者の種岡健さんに、過去に書いたことや話したことをまとめていただいただけなので、ちゃんと自分で書いたのは、「おわりに」だけなんですけどね。
なんと!
まさに副題どおりの「コスパ最強」な出版方法を実践したことになりますね…。

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2017年11月20日

『預金封鎖に備えよ』 小黒一正 (著)



刺激的なタイトルとは裏腹に、凡庸な内容の本でした。

日本政府の財政破綻は最早避けられない前提のもとで、個人としてはどういった資産防衛策が有効かという話に興味があったのに、政府や日銀目線の金融政策の話が本書の大部分を占めており、期待外れに終わりました。

最後の最後に「資産防衛の決め手は『仮想通貨』か」という見出しのセクションがあり、わずか14ページの中でそれらしい事に触れてはいたものの、ごくありふれた内容でした。

結局、著者は個人レベルでできる資産防衛なんかにはほとんど興味がなくて、マクロな視点で国家の財政再建の方法論を語りたい人なんだと思います。財務省にも勤務した経験のある経済学者だからそういう視点になるのはやむを得ませんが、だったらこんな思わせぶりなタイトルは付けないでほしかったですね。

p.242-243
富裕層ではない多くの若者世代や子育て世代にとって、資産防衛を考えることはあまり意味がありません。しかしながら、今後、いざ財政危機に直面したとき、もっとも被害を受けるのは彼らです。
 では座して死を待つしかないのかと言えば、そうでもないのです。今のうちに備えるべきことは、大きく分けて二つあります。
 一つは、自分に投資をして能力を高めておくこと。(中略)
 そしてもう一つは、しっかり財政再建できるような方向にコミットすることです。社会保障は厚いほうがいいし、税金は安いほうがいい。しかしそれでは、財政が破綻するのは明らかです。そして破綻に至れば、資産も人生設計も大きく毀損するだけです。早くそのことに気づいて、国の選択を注視する必要があります。
語り口は丁寧ですが、要するに「資産防衛なんて無意味な抵抗はせず、みんなで痛みを分かち合って政府の財政再建に協力しましょう」と言ってるだけに見えます。冗談じゃないですね。本書のタイトル『預金封鎖に備えよ』とは、「預金封鎖(を一例とする政府の財政再建策)の痛みを覚悟せよ」という意味だったのかと、ここまで読んでやっとわかった気がします。

財政が「破綻に至れば、資産も人生設計も大きく毀損するだけ」と脅していますが、それは政府に強く依存するポートフォリオや人生設計を選択してきたからそうなるのであって、政府への依存度を十分に下げることができれば、無傷とは言いませんが「大きく毀損」することは避けられるはずです。

p.244
限りなく絶望的ではありますが、まだ財政再建の道があるとするならば、それを放棄する手はありません。
著者本人も絶望的だと認識しているのに、まだ望みはあるから覚悟せよとは、酷すぎる話ではありませんか。財政を死守するために終わりの見えない増税に苦しんだ先に、一体どんな希望があると言うのでしょう。このような精神論が蔓延っている状況は終戦直前の日本とそっくりに見えます。

「限りなく絶望的」なら、財政再建など潔く放棄してさっさと破産処理してしまいましょう。

関連記事:
以前から不思議に思っていることの一つが、自らドケチを名乗るmushoku2006さんが消費税増税を支持していること。ドケチにあるまじき行為。(笑) 資産課税のような後出しジャンケンが許されないことについては意見が一致するんですけどね。 過去の行為についての税金は勘弁して欲しい 2 : 年間生活費100万円! 36歳からのドケチリタイア日記:…
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マネーボイスの記事より。衰退国家の日本で最後に生き残るのは「一握りの投資家」だけと知れ=鈴木傾城 | …
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2017年11月15日

『ブロックチェーン・レボリューション』 ドン・タプスコット,‎ アレックス・タプスコット(著),‎ 高橋 璃子(翻訳) その2



『WIRED』日本版編集長、若林恵さんによる巻末の解説より。

p.362-363
ブロックチェーンって、どっちかというと、というか日本では完全にフィンテックの文脈に乗っちゃってて、なんとなくつまんないなあ、って思ってたんですよ。「ブロックチェーンって、そういうことなんだっけ」っていう疑問がありまして。
同感。
フィンテックはファイナンス・テクノロジーの略なので、その守備範囲は金融に限定されますが、ブロックチェーンは金融以外にも広く使える技術です。あと、フィンテックの中にはブロックチェーンと無関係のものも多くあります。たとえば国際送金サービスを提供する TransferWise は代表的なフィンテック企業ですが、彼らの送金システムは今のところブロックチェーンを使っていません。

p.366
いずれにせよ、「お金の民主化」というのは、普通に考えて、近代世界の構成上あるまじき事態であって、インターネットがそれを可能にしてしまうのが明らかである以上、ぼくらは、近代世界を形作ってきたシステムそのものがひっくり返り得る、その歴史的転換のとば口に立っているのかも、ということが、まあその特集を通じて、見えてきちゃったんですね。
お金の民主化は「近代世界の構成上あるまじき事態」とおっしゃいますが、トップダウンに為政者目線で捉えると不都合だという話でしかなく、近代世界を形作っているのは国家というシステムよりも前に、まず最小単位である人間です。人間一人ひとりがフラットな視点で眺めるならば、お金の民主化は大変好ましいことだと思います。

p.368
──ビットコインはあまり面白くないっていうのはどうしてなんですかね。

うーん。ここは説明しようとすると若干矛盾がありそうで難しいところなんですけど、ビットコイン信奉者にありがちな極端なリバタリアニズムは問題提起としては面白いんですけど、やっぱりちょっと現実離れしているところがあって、気分的には若干苦手なんですね。
いや、暗号通貨の何が面白いかって、ガチガチの中央集権制である国家管理通貨を使わざるを得ない現状から、人々を解放しようとしている事が一番でしょう。その最大の利点を抜きにして暗号通貨を語っても、何も面白くありません。

とはいえ、ビジネス界隈でフィンテックの名のもとで語られるビットコインやブロックチェーンの話は、それはそれで、なんというか利便と利得の話でしかないように見えて、そっちはそっちでもっとつまらないなあ、と。
これは同感。
利便と利得の追求自体が悪いわけではないのですが、特に日本国内では金融機関の既得権温存が前提になっていて、利用者の利便そっちのけのサービスしか出てこないのではないかと危惧しています。

関連記事:
現代ビジネスの記事より。満員の「仮想通貨セミナー」で明かされたビットコインの光と闇(伊藤 博敏)…
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2017年11月10日

『ブロックチェーン・レボリューション』 ドン・タプスコット,‎ アレックス・タプスコット(著),‎ 高橋 璃子(翻訳) その1



最近読んだ本です。
副題は『ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか』。

以前読んだ『ブロックチェーン革命』と同様、楽観的な未来予想図を描いています。

p.195
ピケティは資本主義を問題にしているけれど、悪いのは資本主義そのものではない。資本主義のしくみは、うまく使えば、富と豊かさを生むためのすばらしい道具になる。問題は、つぎはぎだらけの金融システムのせいで、そのメリットにふれることすらできない人が多すぎるということだ。
同意。

銀行を中心とする既存の金融システムがお粗末過ぎるのです。なぜそんなお粗末なものが21世紀まで生き残っているのかと言えば、各国政府が金融業をガチガチに規制、統制してきたせいでサービス提供の自由が著しく制約される上に、参入障壁も高くてまともな競争が生まれなかったからです。

参考ツイート:

p.197
「アフリカの多くの国では固定電話が整備されていませんでしたが、携帯電話がこれを解決しました。一足飛びに携帯の時代になったんです。ブロックチェーンはこれと同じ効果を金融の世界にもたらすでしょう」
既存の金融システムが深く根を下ろしている先進国よりも、銀行口座すら持てない人々が溢れている金融後進国の方が未来を先取りする可能性も見えてきますね。先進国でも今後、規制の上にあぐらをかいて現状維持しか考えていない金融機関は、どんどん先細りになっていくと思います。

参考ツイート:

(つづく)

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2017年10月20日

『ダブルマリッジ The Double Marriage』 橘 玲 (著)



橘玲氏の本を読んだのは久しぶりです。

本書はフィクションですが、戸籍制度についての記述は事実に基づいているそうです。本人の知らない間に外国人女性が妻として戸籍に追加されている事例について、なぜそんなことが起こるのかは概ね理解できました。

もし外国人やブローカーによる一方的な「戸籍乗っ取り」の手口が存在するなら他人事ではないなあ、と思いつつ読み進めていくと、本書に出てくる事例については全く「一方的」ではないことがわかりました。桂木憲一という妻子持ちの男には、叩けばホコリが出る過去があったのですから…。自業自得とはこの事です。

さらに自らの過去の過ちを反省するどころか、50過ぎて再びフィリピンで若い女に手を出して、500万円も貢ぐことになるという展開に。男が歳を取る最大のメリットは衝動的な性欲から解放されることなのに、この人は若かりし頃の失敗から何も学習せずに、いい歳こいて何を本能の命ずるままに行動してるのだろう? と思いました。

戸籍制度のバグを知って何かの役に立つ機会があるとは思えませんが、本能の命令を素直に聞いて生きる男の末路を知ることは、少しは人生の役に立つかもしれません。

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2017年08月10日

『ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現』 野口 悠紀雄 (著)



p.9
飛行機が革命であったように、そしてインターネットが革命であったように、ブロックチェーンも革命だ。それはパラダイムの変革をもたらす。つまり、世の中をひっくり返す。
飛行機やインターネットに匹敵するかどうかはわかりませんが、ブロックチェーンの発明は今後の世の中を大きく変える可能性があります。

基本的には中央集権的な仕組みから、分散自律型の仕組みへのシフトが起こっていくと思われ、今まさに目の前で起こっている暗号通貨の勃興はその序章といったところでしょうか。

ブロックチェーン技術が革命的なのは、その応用範囲が暗号通貨に限られない点です。同じ金融業である証券取引は言うまでもなく、自律運転車やライドシェア、市場予測、経営者のいない自律企業組織、やりかた次第では政治や行政、司法にも応用できると言うのですから驚きです。

たいへん夢と希望に満ちた未来予想だと思いました。ただ、実際に社会が変わっていくには技術の壁よりも法律や規制の壁を乗り越えていく必要があり、そこがボトルネックとなって遅々として進まない懸念もあります。

ただし、フランス革命がそうであったように、革命が始まった段階では、それが社会を良い方向に持っていくのか、悪い方向に持っていくのかは、分からない。飛行機は、地球上のどこにでも短時間で到達できることを可能にした半面で、初飛行から10年少々しかたたぬ第一次世界大戦においてすでに、強力な兵器として利用されていた。
そうです。便利な道具は使い方次第で凶器にもなります。

テレビや新聞の報道しか見ていない人だと、ここでハッキングや詐欺事件をイメージするのでしょうが、それよりも本当に怖いのは権力者が技術を悪用することです。

たとえば日銀が率先して暗号通貨版の新円を発行するようなことになれば、いとも簡単にマイナス金利政策が実現可能になりますし、政府の都合のいいように通貨の価値をコントロールされてしまいます。気が向いた時にいつでもインフレ税を徴収できる仕組みの出来上がりです。

このような、中央集権の強化につながる動きには十分警戒する必要があると思います。

関連記事:
ツイッターを眺めているとこんなツイートが目に入ってきました。 それと、もう一度言いますが、あなたの言ってる「お金」はいったい誰が作り、誰がその信用を担保しますか? https://t.co/Dlb1OmUzDo— 住友陽文 (@akisumitomo)
koutou-yumin.seesaa.net


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2017年06月16日

『利己主義という気概ーエゴイズムを積極的に肯定する』 アイン・ランド(著)



今は絶版になっているのでしょうか、アマゾンの最安値は4,708円になっています。もちろん私は図書館で借りました。

アイン・ランドはロシア出身のアメリカ人作家で、オブジェクティビズム(客観主義)という聞き慣れない名前の思想を創った人です。

本書では一貫して「客観主義」という訳語を採用していますが、客観主義でググると主に刑法の用語が上位に出てきて紛らわしいので、オブジェクティビズムと呼びます。

オブジェクティビズムは古典的自由主義やリバタリアニズムとの共通点も多く、その部分はすんなり理解できたものの、特に前半に難解なところが多くてかなり読み飛ばしました。

p.183
どんな人間にも、他人に対して、彼や彼女が選択してもいない義務を課す権利などない。報酬のない仕事をさせる権利もなければ、強制的な奉仕を課す権利もない。「他人を奴隷にする権利」などというものはない。
権利というものは、他人による権利の物質的実行、つまり強制というものを含まない。
p.185
次のことはきちんと覚えておいていただきたい。権利とは、人間の行動の自由を定義し保護するが、他人に対しては何の義務も強制しない道徳的原則である。
自由主義の土台になる重要な定義です。厳密に言うと「何の義務も強制しない」わけではなく、「他者侵害しない義務」や「合意した契約の履行義務」だけは強制します。

アイン・ランドが言う「権利」とはつまり、自由権だけを指していて、それ以外のものを「権利」と呼んで主張したり保護したりすることはできないと言っているようです。

実際に、今の世の中で使われている「権利」や「人権」という言葉の中には、上記の定義を満たしていないものが多くあります。先日ちらっと言及した「社会権」もその一つです。

社会権の代表格である生存権を例に考えてみます。
生存権 - Wikipediaより。
生存権(せいぞんけん、フランス語: droit à la vie、ドイツ語: Recht auf Leben、英語: right to life)とは、人間が人間らしく生きるのに必要な諸条件の確保を、国家に要求する権利[1]。
「国家に要求する」とありますが国家の財源は国民に課す税金ですから、「他人に要求する」のと同義です。これは、アイン・ランドが言うところの「他人に対して、彼や彼女が選択してもいない義務を課す」行為に当たります。そんな「権利」などないというアイン・ランドの意見に同意します。

権利の数や種類は多ければ多いほどよいというものではありません。あれもこれも権利だと言って保護を求め始めると必然的に自由権との衝突は避けられなくなりますし、どうやって権利同士を調整するのかという問題が発生し、公権力が介入してくる隙ができます。そしていま日本で現実に起こっていることは、政府が各種社会権の保障(生活保護、健康保険、年金、介護、保育など)を口実にして自由権の侵害を拡大する悪夢のようなシナリオです。

もしシンプルに自由権だけを保障する世の中だったとしたら衝突は起こりません。自由権の中に「他者の自由権を侵害しない」という衝突回避のルールが内包されているからです。権利の衝突がなければ政府が余計な裁量権を持つこともなく、意思に反して個人の財産が奪われることがない理想的な社会になると思います。

関連ツイート:


参考記事:
Ayn Rand, The Virtue of Selfishness : A New Concept of Egoismの邦訳。サンデルブームもあって、日本でも「リバタリアニズム」という言葉がようやく知られるようになった。本書の著者であるアイン・ランドはリバタリアニズムの誕生に多大な貢献をした作家、哲学者として知られる。彼女の徹底した個人主義・自由主義の思想は、直接・間接を問わずノージック、ロスバード、ブロックそしてD・フリードマンといった主要なリバタリアン理論家に圧倒的な影響を与えた。前FRB議長だったアラン・グリーンスパンがランドの忠実な弟子だったのは有名な話だ(「肩をすくめるアラン」)…
slumlord.hatenablog.com



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2017年05月03日

『自分の時間を取り戻そう』 ちきりん(著)



p.52-53
なにをやるにしても自分の貴重な資源を最大限に有効活用できる生産性の高い方法を見極め、可能な限り高い成果を得る、そういう方法を身につけないと、やりたいコトをすべてをやれる人生は手に入りません。
大事なことは日々生産性を意識し、仕事や生活の生産性を高める方法をトライアンドエラーで身につけていくことです。
たしかにこれは重要な視点です。生産性は高い方が低いよりも豊かな人生を送ることができるのは間違いないでしょう。

ただ、その結果として「やりたいコトをすべてやれる人生」が手に入るかと言うと、それはどうかなと。時間もお金も有限である以上は、その人の「やりたいコト」がその範囲内に収まっているかどうかで決まることだと思います。「やりたいコト」の量が身の丈に合っていない人は、どんなに生産性を上げたところで、それらをすべて手に入れることは叶わないでしょう。

p.53
序章に出てきた4人は、みんな目の前の生活に追いまくられています。こんな状態を続けていてはお話になりません。彼らはまず、自分の問題の源が「生産性が低いこと」だと理解する必要があります。
「生産性が低いこと」も問題の一因ですが、そもそも背負っている仕事(家事や育児も含む)の量が多すぎることも主因の一つです。つまり(仕事量/生産性)のレートが高すぎるのです。目の前の生活に追いまくられないためには、分母の生産性を高める方向だけでなく、分子の仕事量を減らす方向でも改善は可能です。むしろ後者の方が個人の能力に依存せず、誰でも簡単に実行できるのではないでしょうか。

以前読んだ『ゆるく考えよう』に書いてあったのは、人生は早めに諦めようとか、目標は低く持ちましょうとか、明らかに「意識低い系」な内容が中心だったのですが、本書では一転して「意識高い系」な内容が中心になっていて、そこが少し残念ではあります。

ブログネタ的には面白いポイントがいくつかあるので、追って記事にするかもしれません。

関連記事:
著者本人の紹介記事はこちら。 「ゆるく考えよう」  …
koutou-yumin.seesaa.net
これは「働き方」の本だから無職の私にはもう関係なさそうかな、と想像してましたが、読んでみたら共…
koutou-yumin.seesaa.net


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2017年04月11日

『ひとりぼっちを笑うな』 蛭子能収(著)



悪い意味で期待を裏切られた本でした。

タイトルだけ見れば、蛭子さんも私と同じく孤独をこよなく愛する人なんだろうと想像してしまいますが、「おわりに」の直前にはこんなことが書いてあります。
p.225
『ひとりぼっちを笑うな』──この本には、そんなタイトルをつけてみました。でも、僕が一番言いたいのは、ひとりぼっちを笑わないことではないかもしれない。
(中略)
それは、ひとりぼっちでいることをけっして笑うことなく、そんな自分を微笑みながらいつでも受け止めてくれる人を見つけること。
あれ? 蛭子さんの孤独観ってぜんぜんフツーじゃん、というオチでした。実際、彼は人生のほとんどを家族と共に過ごしてきたわけで、物理的にも精神的にも全然「ひとりぼっち」ではないのです。そんな人が無理に孤独について語るとこうなってしまうのだな、という違和感を覚えるところが多い本でした。

50代で奥さんを亡くしたときにネガティブな意味の孤独感が極まった経験が書かれているあたりからも、彼が孤独好きの人間でないのは明らかですし、その後速攻で再婚に走ったりするのも、典型的な寂しがり屋さんの行動パターンと思われます。

p.177
基本的にひとりでいることが好きですけど、ひとりぼっちが好きなわけじゃないんです。
というのも、正直わけがわかりません。「ひとりでいること」と「ひとりぼっち」は何が違うのでしょうか。関連ツイート:

p.213
●人生の目標は死なないこと
なんて書いてあるのにも驚きました。
どうやっても達成不可能な目標と思われますが…。不老不死の技術革新にでも期待しているのでしょうか。

あと、漫画家という職業柄、67歳の時点でも頭の中にリタイアという概念は無さそうです。ギャンブルに相当つぎ込んでいるようですし、稼ぎが少なければ少ないなりの生活にすればいい、みたいな記述もあることから、収入と支出が比例するタイプの人かもしれません。

他にもツッコミどころは沢山ありましたが、これから細かくツッコんでいく記事を書くかどうかは考え中です。

関連記事:
ブログ開設6周年にコメント下さったretire2kさん、mushoku2006さん、mikeさんありがとうございます。 mikeさんのコメントに次のような質問がありましたので、お答えしたいと思います。 はじめまして。 ブログ楽しく読んでます。 以前はセミリタイアしてて、今は正社員してます。 セミリタイアしていた頃は自由でしたが、将来…
koutou-yumin.seesaa.net

参考記事:
去年の2月15日に、「蛭子さんを見習って自由に生きよう!」という記事を書いた。「ひとりぼっちを笑うな」がベストセラーになっているというニュースを受けたものだ。その時、読みたいと思って図書館に登録したのだが、あれから早1年。やっと順番が回ってきた。
worldsend.blog.jp




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2017年01月18日

『29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた』 ITTIN (著) その5



p.145
私の場合は資産が1400万になってからようやく重い腰を上げ、預金の一部を株や投資信託に振り分けることにし、分散投資を開始しました。そんな人間もいます。他人がどうであるとか、平均投資額がいくらだとかは関係ありません。
まさに。すべては自分次第ですね。
いくら他人に「円預金に全力投資をすることにもリスクはある」と言われようとも、毎日どんどん価格が変動していくリスク資産なんて怖くて持てないと本人が思っているなら、やはり何もしないことが正解になるでしょう。そういう人が無理をしてリスク資産に手を出すと、ちょっとした○○ショックが来ただけで心が折れてしまい、途中退場して大損するという最悪のパターンが待っています。

p.156
投資を行うかは世間の風潮や流行り廃りではなく、自身の人生から見出すものです。
(中略)
長期で投資に臨む場合には、上がる時も下がる時も、自分自身が他者の意見にぶれずに続けられる投資を選びたいと思っています。
同意。
周りに流されやすい優柔不断なタイプの人は、投資に向いていないと思います。

ちなみに私は、リタイアする前もした後も「上がろうが下がろうが現金が必要になるまでは売らない」というシンプルなルールだけはブレずに続けていますが、それ以外の部分はわりと大雑把で結構ブレてることもあります。

p.162
確定拠出年金のサイトにログインして見直したところ、年率1.8%の報酬が差し引かれる超・高コストのファンドにも投資していたことがわかりました。
(中略)
断末魔のごとき悲鳴を上げながら、積立を中止しました。
恐ろしや〜。

p.163
現に、知識のなかった新入社員の私には区別がつかず運用商品に取り入れてしまったのです。
「無知は損なのだな」と思った次第です。
私らの時代だと新入社員を嵌め込む金融商品といえば生命保険でしたが、今は確定拠出年金にも注意が必要なのですね。

p.178 (FXでGBP/JPYを損切りした話)
私のポンドちゃんは約3万5000円の損失を出してお亡くなりになりました。
FXでJPY売りポジションを持ち続けて為替差損でやられるのはよく見るパターンですが、これだけ少額の授業料で最初に損失を経験できた事は逆に良かったと思います。もしビギナーズラックで円安方向に動いて利益が出ていたとしたら、
p.180
為替の期待リターンは金利を織り込んでゼロであり、長期的に高金利通貨がマイナスの方に動いていくとしたら、長期で保有する意味はなく、手数料や税金分リターンはマイナスと考えるのが相当ではないかと思いました。
(中略)
長期的に投資するのであれば、将来的な成長が期待できる資産をメインにしよう、と思いました。
この重要な気付きを得ることもないまま、FXにお金を注ぎ込み続けていたかもしれませんからね。

p.180-181
この他にわかったのは、「含み損の状態でもサックリ忘れて日々を過ごせる」という自分の性格です。許容内であれば、口座の状況を気にせずのほほんと日々を過ごせるのです。
これは私も同じです。この性格が幸いして、2008年のリーマンショックで資産が40%近く減っても狼狽せずに、嵐が過ぎ去るのを待つことができました。長期投資におあつらえ向きの性格だと思います。

p.198-199
コツコツ積立投資においては私の投資成果を反映する「勝ち負け」は今後数十年以上にわたり、決定しません。あるいは、天に召されるまで決着しないかもしれません。
これ、長期投資に欠かせない大事な視点です。短期的な結果を見て一喜一憂することは慎まなければなりません。

私の場合は長期投資を継続していく中で、そもそも一般に言われている「勝ち負け」なんて実はどうでもいい事なんじゃないのと思えてきました。名目リターンがプラスなら勝ちでマイナスなら負け、というほど単純なものでもなく、自分の人生とは何の関わりもない他人とリターンの優劣を競っているわけでもなく。要は、自分の人生の総コストを賄えるだけの購買力さえ維持できればそれでよく、この結果が私にとって唯一の「勝ち」なのかもと思うようになりました。

本書の読書録は以上になります。ITTINさん、いろいろなネタの提供ありがとうございました。

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