2017年05月03日

『自分の時間を取り戻そう』 ちきりん(著)



p.52-53
なにをやるにしても自分の貴重な資源を最大限に有効活用できる生産性の高い方法を見極め、可能な限り高い成果を得る、そういう方法を身につけないと、やりたいコトをすべてをやれる人生は手に入りません。
大事なことは日々生産性を意識し、仕事や生活の生産性を高める方法をトライアンドエラーで身につけていくことです。
たしかにこれは重要な視点です。生産性は高い方が低いよりも豊かな人生を送ることができるのは間違いないでしょう。

ただ、その結果として「やりたいコトをすべてやれる人生」が手に入るかと言うと、それはどうかなと。時間もお金も有限である以上は、その人の「やりたいコト」がその範囲内に収まっているかどうかで決まることだと思います。「やりたいコト」の量が身の丈に合っていない人は、どんなに生産性を上げたところで、それらをすべて手に入れることは叶わないでしょう。

p.53
序章に出てきた4人は、みんな目の前の生活に追いまくられています。こんな状態を続けていてはお話になりません。彼らはまず、自分の問題の源が「生産性が低いこと」だと理解する必要があります。
「生産性が低いこと」も問題の一因ですが、そもそも背負っている仕事(家事や育児も含む)の量が多すぎることも主因の一つです。つまり(仕事量/生産性)のレートが高すぎるのです。目の前の生活に追いまくられないためには、分母の生産性を高める方向だけでなく、分子の仕事量を減らす方向でも改善は可能です。むしろ後者の方が個人の能力に依存せず、誰でも簡単に実行できるのではないでしょうか。

以前読んだ『ゆるく考えよう』に書いてあったのは、人生は早めに諦めようとか、目標は低く持ちましょうとか、明らかに「意識低い系」な内容が中心だったのですが、本書では一転して「意識高い系」な内容が中心になっていて、そこが少し残念ではあります。

ブログネタ的には面白いポイントがいくつかあるので、追って記事にするかもしれません。

関連記事:
著者本人の紹介記事はこちら。 「ゆるく考えよう」  …
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これは「働き方」の本だから無職の私にはもう関係なさそうかな、と想像してましたが、読んでみたら共…
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2017年05月01日

「大病したらどうするの?」ってこっちが聞きたいかも

cubさんのツイートより。
早期リタイアのような経済的リスクを多めに取る生き方を選択する人に対して、「大病したらどうするの?」という質問(煽り文句?)は定番中の定番ですね。「〜したらどうするの?」シリーズで打線組んだら堂々の4番打者。

私の答: 「べつにどうもしません。」

「座して死を待つ」という意味ではなくて、払える範囲の医療費は払って余命を伸ばそうとするとは思います。もちろんそのときの年齢やQoLによっては治療をしない選択もあり得ますが。

ではリタイアせずに現役を続けている人が大病した場合、リタイアしなくて良かったと思える何かがあるんでしょうか? 経済的余裕ですか? 確かにそれはあるでしょうが、つぎ込める医療費の差が生死を分けるほどのリスクになりますかね。金が足りないから死ぬのではなくて、病気を治すすべがないから死ぬことの方がずっと多いと思います。

もし大病の中でも最悪のケースである突然死や、癌で余命1年とかになってしまった場合は、逆になぜもっと早くリタイアしなかったのかと悔やむことにはならないのでしょうか? 経済的リスクばかりを限りなくゼロに近づけようとして、もう若くもないのに惰性で仕事を続けている人の方こそ、「大病したらどうするの?」という質問に答えてみたらどうかなと思います。

早死にするリスクなんて承知の上だから「べつにどうもしません。」が彼らの答なんでしょうかね。それならば、相手がとんでもないリスクを取っているように見えるのはお互い様ということになりそうですが…。

関連記事:
cubさんのブログより。 無職への道 40代で一区切り: 健康寿命はあなたが思っているよりずっと短いですよ 大体、男性で70代前半 簡易生命表から自分の寿命を考えよう 最近は老後破綻やら下流老人などぶっそうな話がゴロゴロ出てきていますが そんなに老後が不安ですかね だって、誰でも必ず死…
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2017年04月25日

早期リタイアを目指してるのに実際には仕事を辞めないって、意味なくない?

ちゅり男さんのブログより。
こんにちは。 自分がブログをやり始めてから、必然的に他の人のブログを拝見する機会が増えました。 株式配当金やGoogle adsenseなどの収入だけで暮らす生き方を目指している方も結構いらっしゃるようですが、私には(チキンなので)怖くてとてもできません。 今日はその理由について考えてみたいと思います。
shinkei807.hatenablog.com
これはずいぶん奇妙なタイトルの記事が目に飛び込んできたぞと思いました。早期リタイアを目標にしてる人に向かって、仕事を辞めないことを勧めるなんて思いっきり矛盾してるような…。

私が根本的にチキン野郎であるという後ろ向きな理由以外に、人的資本という観点から考えると仕事を辞めるのは資産形成においてどう見ても不利な選択だからです。
なるほど。
「資産形成」の観点に絞るなら確かに不利です。
しかしながら、(早期)リタイアというライフスタイルは基本的にその「資産形成」を終えた人が選択するものであって、リタイアした後はもう資産形成の観点から物事を考える必要はなく、人生の残り時間とにらめっこしつつ資産防衛や資産消費のフェーズへと移行していくものだと思っています。関連記事:
前回の記事とよく似たことが書かれている記事がありました。 誠 Biz.ID:結果を出して定時に帰る時短仕事術:人生の前半では時間を売り、後半では時間を買う:年を重ねてアルバイトをやったり、就職して会社に入ると、少しずつ自分が管理できるお…
koutou-yumin.seesaa.net

既に十分な資産形成ができているにもかかわらず、資産形成期に必要だっただけの理由を持ってきていつまでも仕事を辞めないのは、経済的リスクばかりに目が行ってしまって大事な目標を見失ってしまう「悪い例」のような気がしてなりません。

関連記事:
橘玲公式サイトより。 アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016〈週刊文春〉 | …
koutou-yumin.seesaa.net
昨日の記事で紹介した『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』では、安定した給与収入を生み出す自分自身という人的資本を、1億円程度の現在価値をもつ「サラリーマン債券」とみなす考え方が出てきます。 確かに面白い考え方だとは思いますが、一晩考えた結果、私はこれは誤りであるとの結論に至りました。 なぜなら、金融資産として…
koutou-yumin.seesaa.net


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2017年04月18日

名目賃金アップでインフレになると労働者は豊かになる? 貨幣錯覚について学べる教材

ツイッターを眺めていると、あるツイートが目に入ってきました。名目賃金と物価の両方がほぼ同じ倍率で上昇した世界の方が、(労働者にとって)かなりマシだと言っているようです。

いえ、そんなはずはありません。実質賃金は上がっていないので、控えめに言っても労働者の豊かさは変わりません。名目賃金上昇に伴う税コスト等の増加まで考慮すると、労働者は今より貧しくなります。既にcubさんやmotoさんが指摘されている通りですね。


元ツイートがリツイート回数1800超の人気を博している事実は、人々が「貨幣錯覚」から逃れることの難しさを物語っています。長い不況時代を過ごし、マスメディア等を通じて「デフレは悪」と刷り込まれてきた日本人には尚更その傾向が強いのかもしれません。
ja.wikipedia.org
人々が実質値ではなく名目値に基いて物事を判断してしまうこと。 本来、貨幣価値の変化を考慮した購買力によって判断しなければならない時に、金額を通じて判断を行なってしまうこと。


こんなツイートも500回以上リツイートされています。
その購買力がどう変化しているかを見ることなく、額面だけを見て800>430だから得だと判断する、これがまさに貨幣錯覚そのものです。

それぞれ手元に残ったお金であと何個ビッグマックを買えるか計算すればわかります。
前者:1.16個
後者:1.14個
手元に残るお金の購買力は増えていません。「どう見ても」と言いつつ見ているのは名目の数字のみで、実質で見ることを全くしていません。

貨幣錯覚は経済に疎い一部の人だけが陥る罠というわけではなく、人類の脳の奥深くに刻み込まれた認知の歪みであり、錯視と同じようなものです。一般人よりもお金の知識に富んでいるはずのFPの方でさえあっさりと貨幣錯覚にやられている例もあるので、この手の話が出てきたときは相当注意深く振る舞う必要がありそうです。

関連記事:
竹本さんのブログより。ゼロ金利!親より貧しい老後生活にな…
koutou-yumin.seesaa.net
Kotaroさんのブログより。 貯金を取り崩す生活は不安か
koutou-yumin.seesaa.net
とよぴ〜さんのブログより。 1年貯蓄・年7.388%だと…アラフォー世代が生まれた頃は投資を必要としなかったんや…
koutou-yumin.seesaa.net


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2017年04月15日

「現役」の範囲を自由に拡大して年金制度を守るだけの簡単なお仕事

70歳までを「ほぼ現役世代」とし、この年齢まで働ける社会にすべきだ――。65歳以上 - Yahoo!ニュース(朝日新聞デジタル)
headlines.yahoo.co.jp
このようなニュースがあることを安西英雄さんのブログで知りました。
ツイッターで知ったのですが、 70歳までは「ほぼ現役」とする 提案がされているようです。 headlines.yahoo.co.jp このニュースに対して色んな反応がありますが、 個人的には「定年なんて自分で決めればイイじゃん」 としか思いません。
h1deo.hatenablog.com
このニュースに対して色んな反応がありますが、
個人的には「定年なんて自分で決めればイイじゃん」
としか思いません。
どちらにせよ私は政府や他人が決める定年は無視して
自分が必要な最低限度だけ働きたいと思います。
たいへん共感する考え方です。
何歳まで現役かを政治で決めようとするのは異常です。他にも似たような事例は山ほどありますが、政治が個人の領域にズカズカと土足で踏み込んでくるのはいい加減やめてもらいたいですね。

しかし定年の話しが出ると
「○○歳まで働かなければいけないのか…」
なんて反応がよくありますね。
嫌なら辞めればいいのに何が問題なんでしょう?
ツイッターを観察していると、確かに「○○歳まで働かなければいけないのか…」的な反応が多めですが、これって正確には「○○歳まで年金が貰えない流れになりそうので仕事を辞められないのか…」という意味なんでしょうけどね。つまり、生きていくためには働くか、年金を貰うかの二択しかないと考えている人が多いわけです。早期リタイア志向の人間から見れば信じられないことです。

このようにリタイア後の生活が公的年金制度に依存している人は、それが逃げ水のように遠ざかっていくだけでも人生設計の修正を余儀なくされます。ましてや、破綻でもしようものなら目も当てられません。一度きりの自分の人生、一国の政府に振り回されっぱなしで終わってしまうのは非常にもったいないことだと思います。

最後に元記事から引用。
70歳未満までを現役とすると、2065年に高齢者1人を現役世代1・3人で支えるようになるとの推計が1・8人となるといい、片山氏は「完全な『肩車型社会』にはならずに乗り切れる」と述べた。
無理やり感が半端ないですな。
こんなふうに「現役」の範囲を自由自在に調整していいのだったら、年金制度を維持するなんて誰でもできます。サッカーで言えば勝手にゴールを小さくしておいて「見ろよ。ゴールは死守してるだろ!」とドヤっているようなもの。こんないい加減なルールのゲームからはさっさと降りるのが賢明です。

関連記事:
昨年セミリタイアを達成されたNightWalkerさんのブログにこんな記事がありました。 リタイヤの資金計画はどういう順番で考えるべきか?: NightWalker's Investment Blog:アーリーリタイヤするためには、当たり前ですが、お金が必要です。 その資金計画で、たまに、  公的年金の計画がない人 がいます。…
koutou-yumin.seesaa.net


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